出産というと赤ちゃんを産むまでの
身体の変化や痛みなどが注目されがちですが、
実は赤ちゃんが産まれて終わりではないのです。
そこで今回は
- 出産を経験したママの産後辛かった経験談や
- 産後起こりえる体のトラブル内容と続く期間
をご紹介します。
ぜひ、事前に心の準備をしておきましょう。
目次
先輩ママに聞く!産後に辛かった事ランキング
まずは、実際に出産を経験した先輩ママが
辛かったと感じた産後の身体の変化や痛み、トラブルを
ランキングで見てみましょう。
第1位:会陰切開の傷
第2位:産後の初めてのトイレ
第3位:授乳トラブル
第4位:便秘・痔
第5位:後陣痛
第6位:不眠
第7位:悪露
第8位:むくみ
第9位:腰痛・尾骨痛
第10位:産後のシャワー
後ほど詳しくご紹介していきますが、
これが辛かったランキングになっています。
不眠やむくみ、腰痛などは、
妊娠中も起こる身体のトラブルで、
妊娠中から悩むママも多くいます。
しかし、それ以外のことは
産後ならではの辛さになります。
先輩ママ達は、このような身体の変化に耐えながら、
慣れない育児に奮闘してきたのです。
産後に起こる辛い身体のトラブル①発熱
産後に起こる身体の変化について、
詳しく見ていきましょう。
産後に見られる身体のトラブルの1つが発熱です。
産後の発熱は大きく分けて3種類となります。
それぞれの原因と対処法などを
知っておくと良いでしょう。
産褥熱(さんじょくねつ)
産褥というのは、出産した後という
意味があります。
つまり、産褥熱とは出産した後の発熱です。
古くから女性は出産した後に、
特に細菌などに感染した
わけでなくても微熱が出るとされてきました。
出産後、数時間後から1日ほど経つと
微熱が出始めます。
特に自覚症状などもなく、
微熱が3日〜4日ほど続きます。
最近の研究から、産褥熱はサイトカインという
身体の中の情報伝達物質が
深い関わりを持つということがわかっています。
出産の時は、アドレナリンなどのホルモンが
たくさん分泌されていますが、それに合わせて
身体は炎症性サイトカインを放出することが、
発熱の原因になるとされています。
微熱が続いた後は自然に熱が下がりますので、
特に治療の必要などはありません。
身体が火照って熱いという時には、
腋の下や足の付け根などの
太い血管が通っている部分を冷やすと、
症状が少し楽になります。
出産時の細菌感染による発熱
出産の時には、膣や子宮にはかなりの力が
かかりますので、一部の組織が破壊されてしまいます。
組織が壊れるということ自体は正常に起こることですので
問題はないのですが、そこから細菌などが入り込み、
発熱が見られることがあります。
現在ではお産を清潔に行うことや
感染の可能性がある場合に
早めに抗生剤などを投与することで、
かなりの割合で防ぐことが
できるようにはなっています。
しかし、難産でお産に長い時間
かかってしまったりすることで
細菌が原因の発熱が見られることも稀にあります。
産後の内診で、
- 通常の痛みとは違う痛みを感じる
- 膿の塊がある
場合は、細菌に感染している可能性があります。
基本的には抗生物質を投与することで
治療をしていきますが、
症状が強い場合には、
手術で膿を取り出す必要もあります。
その他の感染症
産褥期というのは体力が落ちていますので、
病気などに対する抵抗力も落ちています。
そのため、普段よりも
感染症になりやすくなっています。
1番多いのが上気道のウイルス感染、
いわゆる風邪になります。
風邪をひくと症状に発熱が
見られることがありますよね。
つまり、風邪の症状の1つとして発熱しているのです。
この場合は、通常の風邪と同じで
安静にすることで熱が下がるのを待ちます。
場合によっては内服薬を処方されることもあります。
また、尿路から感染する感染症に
膀胱炎があります。
膀胱炎が原因の発熱が見られることもあります。
膀胱炎の場合は、排尿のたびに
強い痛みがありますので、
内服薬による治療が行われます。
産後に起こる辛い身体のトラブル②悪露
産後にしばらく続くのが悪露です。
産後の身体が妊娠前の状態に戻るまでの
回復期間を産褥期と呼びます。
悪露とは、この産褥期に排出される分泌液です。
血液やリンパ液、子宮内に残っている
胎盤など多くの物が含まれていて、
特に初期の悪露には血液が多く含まれているため、
赤っぽく、血なまぐさいという特徴があり、
生理にも似ています。
悪露は、産後に子宮が回復する過程で
必要になります。
悪露の色や量が、子宮の回復が
順調であるかを判断する目安になります。
悪露が続く期間は個人によって差がありますが、
初期の赤い血液のような悪露は2~3日までのことが多く、
その後は褐色の悪露が続き、
徐々に量は減ってきますが、黄色、白色と色が次第に変わり、
おおむね6週間ごろで終了ます。
悪露は生理と似ているとご説明しましたが、
特に出産直後は量がかなり多いため、
普通のナプキンでは足りません。
生理用のナプキンを大きくした
『産褥パット』を使用するのが一般的です。
出産直後は産褥パットのLサイズを使い、
Mサイズ、Sサイズと
量に合わせてサイズを変えていきます。
出産直後は量が多いため、それほど
大きな産褥パットを使っていても、
1日4~5回取り替えるというのが普通です。
産褥パットはサイズも大きく滅菌処理もされているため
産後に心配な感染を予防してくれますので、
ナプキンではなく産褥パットを使うことをおすすめします。
ただし
- 悪臭がある
- 痛みがある
- 時間が経っても赤や褐色から色が変化しない
- 鮮血の塊が出続ける
- 悪露が出ない
これらの場合は、子宮に異常が考えられる
可能性がありますので、
すぐに産院で診察を受けるようにしましょう。
悪露は産褥期に子宮が回復するために
必要ではありますが、赤ちゃんのお世話にも忙しい日々で
動くたびにドロっとした感覚は不快です。
しかし、悪露は産後必ず起こりますので、
心の準備をしておきましょう。
産後に起こる辛い身体のトラブル③貧血
産後に多いトラブルに貧血があります。
妊娠中に貧血ですと、産後も貧血が
続く恐れがあります。
また、出産の時に出血が多い場合には、
産後に貧血になるというママも多くいます。
ちなみに筆者は、長男を妊娠中は
特に貧血などの症状もありませんでしたが、
かなりの難産だったので出血量が
とても多かったようです。
出産直後はそのまま横になってしばらく休むため
自覚がなかったのですが、
いざ起き上がったらフラフラで
まともに歩くことはできませんでした。
そのまま病室まで車いすに乗せられ移動しましたが、
2日位は病室内にあるトイレに行くのもフラフラで
壁をつたって行かなければならないほどでした。
さらに長男は事情があり、他の病院へと
転院しなければならなったため毎日病院に通う生活。
貧血でふらふらしながら、
病院へ通ったのを思い出します。
貧血にならないよう、妊娠中から
鉄分の多い食事を摂ることは大切ですが、
あまりにも症状がひどい場合には
鉄剤が処方されることがあります。
妊娠中も出産後も貧血になってしまうと
とても辛いですし、
乳育児を考えている場合、
母乳は血液から作られていますので、
貧血になりやすくなると言われています。
ですからぜひ、妊娠中から鉄分の多い食事を
心がけておくと良いでしょう。
産後に起こる辛い身体のトラブル④乳房の張り
産後に起こる辛い身体のトラブルに
乳房の張りがあります。
産後3~4日ごろから母乳が作られ始めますが、
乳腺が十分に開通していないと、
母乳が溜まってしまうため
乳房が張り痛みを感じます。
乳房が張った時の痛みというのは、
想像している以上に辛いものです。
乳房の痛みを防ぐためには、
- 乳管が塞がらないように授乳前に少し母乳をしぼってから授乳する
- 時間を見つけて乳房マッサージをする
と痛みにくくなります。
また、慣れない授乳ですと1回の授乳の時間が
長くなってしまうこともあります。
しかし、片方の乳房で10分~15分くらいまでにしましょう。
赤ちゃんが長く乳首を吸っていると、
皮膚がふやけて傷つきやすくなります。
赤ちゃんに乳首をくわえさせる時には、
くわえさせる角度を変えてみましょう。
乳輪まで深くしっかりと
くわえさせてあげると良いでしょう。
慣れないうちは乳首が取れてしまうのではないかと
思うほどの痛みが走る事もあります(笑)
筆者は、その痛みのせいで母乳育児を
諦めてしまおうかと思うほどでした。
母乳がたまってしまうとさらに痛みが増します。
その状態を改善するためには
- 赤ちゃんに母乳をどんどん吸ってもらう
- 手でしぼって母乳を出す
ようにましょう。
痛みの他に発熱や皮膚の赤み、
脇の下のリンパが腫れて痛いという場合には
乳腺炎などの可能性もありますので、注意しましょう。
産後に起こる辛い身体のトラブル⑤会陰切開の傷
出産後の身体で大きな違和感を感じるのが、
会陰切開の傷です。
会陰切開の傷による痛みなどは個人差がありますが、
座るのも辛いくらい痛みを感じることもあります。
また、排尿の時にしみて痛みを感じることもあります。
一番つらいのは最初の一週間程度で、
徐々に痛みは軽くなっていきますが、
約1ヶ月程度は違和感を感じ続けることになります。
しかし、
- ひどい痛みが2~3週間も続く
- 出血
- 化膿
等の症状がある時には、
必ず医師に相談してみましょう。
出産の瞬間というのは強い陣痛もありますし
アドレナリンが大量に放出されていることもあり、
会陰部を切開しても痛みなども感じず、
切ったのか切っていないのかわからないほどです。
しかし、その痛みというのは
出産後にやってきますので辛いものです。
塗った後の違和感は
言葉で言い表すことはできません。
しかし、トイレに行ってもスッキリ
排尿することはできませんし、
排便する時に力を入れれば痛みを感じたり、
傷が開いてしまうのではないかと
不安になったりもします。
また、産後のシャワーが辛かったことの
第10位にランクインしていますが、
大量の悪露に会陰切開の傷の痛みや違和感、
こういったことがスッキリするはずの
産後のシャワーを憂鬱にします^^;
産後に起こる辛い身体のトラブル⑥骨盤がグラグラする
出産で骨盤が押し広げられますので、
産後は骨盤が不安定な状態になります。
小さいながらも赤ちゃんを産んでいるのですから、
骨盤が広がってしまうのも当然ですよね。
産後は
- 腹巻
- 骨盤ベルト
などで締めて、徐々に骨盤を元の状態に戻す必要があります。
しかし、しばらくは自分の身体ではないかのような、
骨盤がぐらぐらしたような
違和感を感じることになります。
その違和感は普通に歩けているのか
心配になるくらいです。
今では骨盤の歪みを防ぐためにも
骨盤ベルトなどの種類も増えていますが、
骨盤の歪みを防ぐためには、
骨盤ベルトは妊娠中期から使っておくと良いと
言われています。
妊娠中、赤ちゃんの成長と共に
ママの骨盤も少しずつ開いていきます。
その時に骨盤が歪んでしまう可能性があるためです。
そして、骨盤をしっかりと元の状態に戻すためにも
骨盤が歪まないためにも、
出産後は1年~1年半は骨盤ベルトを使い続けると良いとされています。
歪んだ骨盤というのは、じっくり
時間をかけて元の状態に戻ろうとします。
ですが、骨盤の左右のバランスが崩れていると、
骨盤が正しい位置へと戻らなくなってしまいます。
そのため、
- 身体のラインが崩れる
- 妊娠前の体重になかなか戻らない
- お尻が大きくなる
などが起こります。
また骨盤を締めることで、
内臓が元の正しい位置に戻ると言います。
産後、尿漏れや便秘に悩んでいるという
ママも多くいますが、それは
内臓が下がってしまっているからです。
骨盤ベルトを使い、内臓を正しい位置に
戻すことでこれらのトラブルを
防ぐこともできるでしょう。
そのためには、骨盤ベルトを正しく使う
ということがとても重要です。
違うところに巻いてしまったり巻き方が強かったり
弱かったりすれば意味がありませんので、
正しい使い方をすることも心がけて下さいね。
その他にもこんな身体のトラブルが!!
産後の身体のトラブルで多くのママが
乗り越えた辛いトラブルを
ご紹介してきました。
しかし少数派ながら、こんなトラブルも
ありましたという先輩ママが
経験したトラブルをみてみましょう。
全身の筋肉痛
産後に全身の筋肉痛で起き上がれないほど
辛かったという声も聞きます。
出産の時にいきむのはお腹だけと
思っている方も多いのではないでしょうか。
しかし、いきむ時にはお腹だけではなく、
腕や足の全身に相当な力が入ります。
出産の時間が長くなればなるほど
力が入っている時間も長くなるわけですから、
筋肉痛になりやすいのです。
この場合は、とにかく痛みに耐えながら
安静にしているしかありません。
しかし、お子さんのお世話が始まれば
1日中寝ているというわけにも
いきませんので、辛いですよね。
おしっこが出ない
これは筆者が経験したことで、
このような症状が出るとは聞いたことが
ありませんでしたので、
非常に不安になりました。
長男の出産の時に、難産でかなり
出産に時間がかかりました。
また出血量が多く、なかなか出血が
止まらなかったため、一時的な処置として
膣にガーゼをつめて止血をしていました。
その後出血が止まったため
ガーゼは取り除かれたのですが、その後
何時間経ってもおしっこが出ませんでした。
お茶や水などは飲んでいたのですが、
何時間も尿意すら感じませんでした。
その時間があまりにも長かったため、
不安になりトイレに行きおしっこを
しようとしてもまったく出る気配がありません。
看護師さんに相談したところ、
導尿してみましょうということで
管を入れておしっこを
吸引してもらうことになりました。
実際に導尿してもらったところ、
700㎜位のおしっこがたまっていたと
言われました。
その後も、数時間おきに
導尿してもらうことになりましたが、
その管を入れる時が痛くて、
とても辛い時間でした。
自宅に戻った後もなかなか順調には
おしっこが出なかったため、
病院で導尿してもらっていました。
尿漏れなどの悩みを見かけたことはあったのですが、
おしっこが出ないなどのトラブルを聞いたことがなかったため、
焦ったのを思い出します。
産後には身体の変化がある!赤ちゃんとの生活に備えて心の準備をしておこう!
いかがでしたか?
産後は色んな体の不調やトラブルに
悩まされるものですが、
頑張って産まれてきてくれた赤ちゃんの姿を見ていると、
不思議とこの子のために
頑張ろうと思えるものです。
ぜひそういったことを事前に知っておき、
産後のトラブルを乗り越えましょう!