男の子のお祝いである端午の節句。
この時期には、鯉のぼりを飾るというのが、
古くからの風習となっています。
男の子のお子さんがいらっしゃるご家庭では、
五月人形と共に鯉のぼりも準備するのではないでしょうか。
この鯉のぼりはいつまで飾るのか、いつからいつまで
飾るのかなどご存知ですか?
そもそも、なぜ鯉のぼりを飾るのかをご存じないという方も
意外と多いのではないでしょうか。
鯉のぼりの由来はもちろん、選び方、保管や処分の方法まで
鯉のぼりについて詳しくみていきましょう。
目次
「鯉のぼりは子どもが何歳になるまで出していいの?」
端午の節句には、鯉のぼりを飾るというのは
ご存知かと思いますが、いつまで飾れば良いのか、
疑問に思われる方も多いのではないでしょうか。
鯉のぼりを飾る年齢についてみてみましょう。
生まれてすぐから飾るのもOK
鯉のぼりを飾り始める時期ですが、多くの方が
生まれて初めて迎える初節句から飾っています。
端午の節句は、特に年齢が決まった行事ではありません。
そのため、必ず初節句から飾るというわけでもありません。
例えば、お子さんがまだ小さく鯉のぼりを飾ってもわからない、
そのような時にはお子さんの成長を待って2歳〜3歳で飾り始める、
それでも問題ありません。
鯉のぼりは一般的には15歳くらいまで
鯉のぼりは、何歳まで飾るという期間も
決まってはいません。
ご家庭や地域によって違うというわけです。
目安としては、15歳前後までというのが一般的です。
鯉のぼりを飾るのは、お子さんの
成長や出世を願うことからです。
つまり、大人に成長するまで
鯉のぼりを飾るという考え方です。
大人というと、法律的には20歳になりますが、
実際20歳まで飾るという方は少ないでしょう。
多くの方は、中学生までと考えているようです。
ちなみに、鯉のぼりを飾るという風習が定着した江戸時代には、
元服という儀式があり、元服すると大人とされていました。
元服の年齢は11歳〜18歳ということで、
お子さんがこの年齢まで
鯉のぼりを飾っていたと言われています。
現在は、11歳では早く、18歳は子どもとは言い切れず、
15歳前後という方が一般的なようです。
制限がないという考え方も
鯉のぼりを飾る期間は無制限!という考え方もあります。
例えば、四国地方の四万十川や吉野川では、
毎年川を渡るように数百匹の鯉のぼりを飾る、
美しい景色で有名です。
これは、この時期の風物詩ともなっていますので、
飾る時期は無制限です。
これは地域のイベントで特別な例ですが、
おじいちゃんやおばあちゃんは、お孫さんが何歳になっても
飾ってあげたいと思うかもしれません。
そういった場合は、年齢に関係なく飾るというのも良いですね。
兄弟が増えた場合は、鯉の数を増やす
兄弟が増えた時には、どのような考え方をしたら良いのか、
迷ってしまうパパママも多いと思います。
鯉のぼりだけ増やすのか、鯉のぼりのセットを増やすのかなど、
ちょっとしたことですが、迷ってしまうこともあるでしょう。
基本的には、兄弟が増えた場合には、
鯉のぼりだけを追加するという考え方が一般的です。
鯉のぼりだけを買うことができないという場合は、
鯉のぼりのセットを追加しましょう。
追加する時期についても、特に決まりはありません。
しかし、お子さんの厄払いの意味もありますので、
追加してあげることを忘れないで下さいね。
「毎年鯉のぼりを飾る期間はいつからいつまで?」
男の子のいるご家庭では、毎年鯉のぼりを飾ると思います。
特に初節句の場合には、いつ飾るのか迷ってしまう方も
いるのではないでしょうか。
実は鯉のぼりを飾る時期、しまう時期というのは、
明確に決まっているわけではありません。
時期については、ご家庭や地域によっても変わります。
春のお彼岸が過ぎたら飾るというご家庭もあれば、
女の子のお子さんがいるご家庭では、ひな祭りが終わり、
ひな人形をしまってから、鯉のぼりを飾るという、
ご家庭もあります。
飾るのが早い場合は、3月3日を過ぎてから、
遅くても4月中に飾るというのが一般的です。
鯉のぼりをしまう時期も様々です。
5月5日を過ぎたら、すぐにしまうという場合もありますし、
地域によっては、6月まで飾るというところもあります。
また、飾る時期、しまう時期は決まっていませんが、
多くの方が天気の良い日を選んでいます。
6月になると梅雨に入りますので、天気が悪い日も
多くなります。
そのため、5月中にはしまうというのが一般的です。
鯉のぼりをきれいに保管しておくためにも、
時期というよりはお天気で
日を選んだ方が良いかもしれませんね。
「そもそも鯉のぼりを飾る理由や意味は?色によって何が違うの?」
そもそも、なぜ端午の節句で鯉のぼりを飾るのでしょうか。
その意味などを知っているという方は、実は少ないのでは
ないでしょうか。
鯉のぼりを飾る意味や理由、色の違いなどをみてみましょう。
端午の節句の由来
端午の節句には、鯉のぼりを飾りますが、
そもそも端午の節句は、中国の厄払いの行事が
由来となっています。
日本では宮廷でこの行事が取り入れられ、
宮廷から武家、武家から庶民へと時代の流れとともに、
広まっていったとされています。
鯉のぼりの由来
端午の節句は、徐々に日本でも浸透していきます。
男の子の厄除けと元気な成長を願う行事であり、
武家では男の子が誕生すると、厄除けとして、
玄関には幟(のぼり)や吹き流しが立てられ、
部屋には五月人形や兜などが飾られました。
それが江戸時代には、将軍家に男の子が生まれると、
家紋の入った旗指物や五色の吹き流し、幟(のぼり)を立て、
お祝いをするという風習になりました。
その後、庶民へとこの風習が広がる時には、
出世の象徴ともされていた鯉が飾られるようになったのです。
鯉のぼりの意味①出世を願う
鯉のぼりを飾ることには2つの意味があります。
まずは、鯉が立身出世の象徴もされていることから、
お子さんの出世を願うという意味があります。
中国の故事に、鯉は竜門の滝を登ると、滝となり
天をかけるということがあります。
登竜門という言葉の元にもなった故事です。
このことから、鯉が立身出世の象徴とされ、
さらには、
出世を願い鯉のぼりが飾られるようになりました。
鯉のぼりの意味②健やかな成長を願う
鯉のぼりの意味2つ目は、お子さんが健やかに
成長することを願うということです。
鯉というのは清流だけでなく、
鯉というのは清流だけでなく、池や沼などで
生きることができる、生命力の強い魚です。
このことから、お子さんが環境などに流されず、
どんな場所でも強く立派に成長して欲しいという
願いを込めて、鯉のぼりを飾るのです。
吹き流しの色や意味
鯉のぼりを飾る時には、鯉のぼりだけではなく、
五色の吹き流しが一緒に飾られます。
この五色の色は、中国の五行説が由来とされています。
赤=火、青=木、黄色=土、白=金、黒=水を
表していると言われています。
しかし、染料や色彩の関係で、青は緑、黒は紫で
表されることが多くなっています。
この五色が揃うと、魔除けの効果があるということで、
鯉のぼりと一緒に飾られています。
また、五色の吹き流しはパッと目につきますよね。
目立つ色を飾ることで、神様に早く気がついて欲しい、
そんな意味も込められているといいます。
鯉のぼりの変化
今では布製の鯉の形をした鯉のぼりが飾られるのが一般的です。
しかし、鯉のぼりが最初に飾られた当時は、
鯉の描かれた紙を飾っていました。
それが大正時代になると、布で作られた黒色の鯉=真鯉が
飾られるようになります。
さらに、明治時代には赤色の鯉=緋鯉、昭和に入り、
青色の鯉=子鯉が増え、鯉のぼりが幸せな家族の象徴、
そんなイメージのものになりました。
「庭だけじゃない!マンション室内やベランダにも飾れる鯉のぼりの選び方」
昔は、自宅に広い庭があり、立派な鯉のぼりが飾られていました。
しかし、現在ではマンションに住んでいるなどの住宅環境により、
大きな鯉のぼりを飾ることができないというご家庭も増えています。
しかし、鯉のぼりも大きなものだけでなく、
今では素材、大きさなどの
種類も増えていますので、ご自宅のベランダに飾ったり、
マンションの室内に飾れるようなものもあります。
素材選びのポイント
鯉のぼりの素材は、主に2種類に分けられます。
それが、ナイロンとポリエステルです。
鯉のぼりというのは、風に吹かれて大空を悠々と泳ぐ姿が特徴で、
遠くからでも目を引くような鮮やかさも大切です。
- 素材の軽さ
- しなやかな質感
- 発色力の良さ
これが、いい鯉のぼりを選ぶポイントとなるでしょう。
一概にナイロンとポリエステルのどちらが良いのかと
決めることはできません。
そして、質感は実際に手にとってみないとわからないこともあります。
例えば、同じポリエステルでも、ものによってはゴワついたり、
重みがあり風を受けにくいというものもあります。
素材の特徴と価格のポイント
鯉のぼりは、素材によって特徴が違います。
ポリエステルは、発色が良く、美しく色鮮やかなのが特徴です。
シルクのような風合いで、風を受けやすく、
まさに悠々とした泳ぎを見せてくれるでしょう。
ナイロンはゴワゴワとした感触にはなりますが、
価格はポリエステルよりもお手頃です。
価格は、どちらの素材でも大きさが
大きくなればなるほど、高くなります。
大きな鯉のぼりを選ぶ時のポイント
広い庭があり、大きな鯉のぼりを立てることが
できる場合は、鯉のぼりの素材には
こだわらなくても良いでしょう。
鯉の大きさが大きければ、発色や光沢感というのに関係なく、
目立つことは間違いありません。
そのため、素材については、
何を選んでも問題ないでしょう。
それよりも、大きな鯉のぼりの場合は、
土地の広さに
合わせるということを考えましょう。
周りに住宅や電線、樹木などがあると障害となります。
大きさの目安としては、立てようとしている場所の半径よりも
1mほど小さなサイズの鯉のぼりを選びましょう。
例えば、半径が8m以上あるという場合には、
7mの鯉のぼりを選ぶと、余裕を持って飾ることができます。
また、7mの鯉のぼりを飾ろうとすると、ポールの長さは、
倍の14mが必要になります。
14mとなると、家が邪魔になってしまったり、木が邪魔に
なってしまうこともありますので、ポールの長さも考えましょう。
小さな鯉のぼりを選ぶ時のポイント
大きな鯉のぼりを飾るようなスペースがないという場合は、
小さな鯉のぼりのセットも販売されています。
小さな鯉のぼりを選ぶ時には、目立つようにするためには、
発色が良く色鮮やかな鯉のぼりを選ぶことです。
また、小さな鯉のぼりが風を受けて悠々と泳ぐためには、
風を受けやすいポリエステルの鯉のぼりがおすすめです。
ポリエステルの鯉のぼりですと、ベランダ用の1.2m、
小さな庭でも立てることができる3〜4mなど、小さなサイズでも
種類は豊富です。
ポリエステルの発色の良さでしたら、室内でも華やかです。
メーカーによってセットの内容が違う
鯉のぼりセットは、メーカーによって内容が違います。
基本的には、黒鯉、赤鯉、青鯉の鯉のぼり3匹と、
吹き流しというのが一般的なセットになります。
鯉のぼりセットは、メーカーによって内容が違います。
鯉のぼりの数は、多ければ多いほど豪華にはなりますが、
父親の黒鯉、母親の赤鯉、お子さんの青鯉があれば、
十分だと言えるでしょう。
増やすとしたら、お子さんの人数分増やせば良いでしょう。
ベランダや室内に飾る小さなサイズの鯉のぼりになると、
色の種類が増えます。
緑色、オレンジ、紫色、ピンク系などの色もあります。
「鯉のぼりの保管方法は?」
鯉のぼりは、1年に1度になりますが、毎年飾るものです。
毎年きれいに飾るには、どのように保管したら良いのでしょうか。
鯉のぼりは片付けたらすぐに洗濯しよう
鯉のぼりは、ずっと外に飾っておくため汚れてしまいます。
まず、鯉のぼりを片付けたら、すぐに洗濯をしましょう。
鯉のぼりの洗濯は、自宅でも簡単にできます。
ぬるま湯に台所用の中性洗剤を少量溶かしたら、
鯉のぼりを1時間ほどつけ置き洗いします。
汚れがひどい部分は、軽く揉み洗いして汚れが落ちたら、
すすぎ洗いをして、水気を絞りましょう。
その後は、風通しの良い場所で陰干し、しっかり乾かします。
ポイントは、生地を傷めないため熱いお湯で洗わないことと、
色落ちなどしないよう、優しく手洗いするということです。
洗濯機やドライクリーニングなどは、生地や金具を傷めるため、
避けた方が良いでしょう。
金具の部分は錆を防ぐために、フッ素樹脂を含む油を塗りましょう。
鯉のぼりを保管する場所に注意
鯉のぼりは、直射日光の当たらない、湿気が少ない場所で
保管しておくことが大切です。
湿気は、カビなどの原因にもなりますし、
色が変色してしまったりすることもあります。
きれいにたたんでしまっておくことも必要です。
鯉のぼりの素材は、ナイロンやポリエステルになりますので、
防虫剤を入れる必要はありません。
ポールも汚れをきれいに拭き取った後で、錆を防ぐように、
油を塗っておきましょう。
雨に降られたらしっかり乾かす
鯉のぼりはナイロンやポリエステルなどの素材で作られています。
そのため、雨に濡れてしまっただけでは、色落ちしてしまう、
そういった心配はほぼありません。
しかし、酸性雨などの影響で、生地が汚れてしまったり、
シミがついてしまったりします。
雨の日には、鯉のぼりは飾っておかないというのも1つですが、
雨に濡れてしまった時には、よく乾かすようにすると、
変色などを防ぎ、きれいに飾ることができるでしょう。
「使わなくなった鯉のぼりの処分方法は?」
一般的には15歳前後まで、毎年飾られる鯉のぼり。
鯉のぼりを使わなくなった場合、どのように処分すれば
良いのでしょうか。
処分方法をいくつかご紹介します。
自宅で供養する方法
鯉のぼりは、お子さんの厄を払うという意味もあり、
そのまま処分するのではなく、供養をして処分する方も
多くいます。
その方法は人形やぬいぐるみと同じです。
- きれいな布で汚れを拭き取る
- 白い紙、もしくは包装紙にのせる
- 塩でお清めする
- 手を合わせて感謝の気持ちを伝える
- 敷いていた白い紙で包む
このような手順を踏んだ後に、可燃ゴミなど
地域の分別方法に合わせて捨てると良いでしょう。
ちなみに、お寺などで供養してもらいたいと思われる方も
いるかもしれませんが、鯉のぼりは受け付けていないという
お寺も多くなりますので、事前に問い合わせてみると
良いでしょう。
施設などへ寄付
使い終わった鯉のぼりは、寄付することもできます。
例えば、幼稚園や小学校などで寄付を受け付けていることも
ありますし、児童センターなどの施設などで、
鯉のぼりを飾っているような場所で受け付けていることもあります。
また、地方などでは鯉のぼりを飾るイベントなどで
受け付けていることもあります。
使い終わった鯉のぼりの募集をしているサイトなども
ありますので、探してみるのも良いでしょう。
オークションなどに出品
鯉のぼりを毎年飾っていても、きれいに保管していて、
まだまだ飾れるという状態であれば、ネットなどを活用し、
販売するというのも1つの方法です。
オークションや、今ではスマホアプリなどを使って、
使わなくなったものを売るという方も増えています。
鯉のぼりもきれいな状態であれば、このようにネットを
活用して売ることができます。
商品を出品するのは難しそうと思われる方もいると思いますが、
今ではとても簡単に出品することができます。
商品の説明など、どのように書けば良いかわからないという時は、
鯉のぼりで検索してみると、たくさんの商品が出てきます。
そういったものを参考にすれば、よりスムーズに
出品することができるでしょう。
まだまだ使える、ゴミで出すのは気が引ける、
そのような場合は、出品するといった方法も良いのではないでしょうか。
「まとめ」
男の子がいるご家庭では、毎年飾る鯉のぼり。
鯉のぼりは、飾る年齢や飾り始める時期などは、
明確には決まっていません。
ご家庭や地域の風習に合わせて飾るということで問題ありません。
今では鯉のぼりの大きさや素材など種類も豊富ですので、
ご自宅の環境に合わせて鯉のぼりを用意してあげましょう。
鯉のぼりを飾り、お子さんの健やかな成長を願ってあげましょう。