夏になると蚊が多くなりますが、
実は蚊だと思っていたら、違う虫に刺されていた
ということも多くあります。
近年では蚊に刺されたことで起こる
デング熱なども心配されているため、
しっかりと虫除け対策したいものですよね。
そこで今回は
- 虫刺されの種類や症状
- 虫よけ対策はいつする?
- 虫よけスプレーの選び方や正しい使い方
について詳しくご紹介していきます。
目次
甘く見てはいけない虫刺され!どんな種類があるの?
虫刺されと聞くと、蚊に刺されるということを
思い浮かべる方も多いと思います。
しかし、実は蚊だけではなく、
様々な虫に刺される可能性がありますので
まずは、日常生活で刺される可能性がある
虫をご紹介します。
蚊
虫刺されの1番の原因となる蚊。
蚊に刺されても、身体に大きな影響を
与えるということはほとんどありません。
多くの場合は、蚊に刺された部分が赤く腫れて、
かゆくなるということがほとんどで、
一般的には心配するような症状はありません。
腫れ方は人それぞれですが、
腫れの中心に水ぶくれができることもあります。
しかし、何かの病原体を持った蚊に刺されることで
「蚊媒介感染症」に感染する可能性がありますので、
「たかが蚊」と油断してはいけません。
蚊を媒体して感染するのは
こんな感染症があります。
- デング熱
- ジカウイルス感染症
- 日本脳炎
- チクングニア熱
- 黄熱
- ウエストナイル熱
- マラリア
日本脳炎以外は海外から入ってくる感染症となり、
主に熱帯、亜熱帯地方で流行している感染症です。
この中でも、最近日本でも流行が拡大し、
話題になったのがデング熱です。
蚊媒介感染症にかかると、
- 発熱
- 発疹
- 関節の痛み
- 目の充血
などの症状が多く見られます。
蚊に刺されてかゆいだけでなく、
体調が悪くなったり、上記のような
症状が見られる場合には、
すぐに病院へ行きましょう。
蜂
蚊に続いて虫刺されの原因となるのが蜂です。
蜂に刺されたらものすごい痛みを感じますので、
誰もが刺されたということに気が付くでしょう。
蜂に刺されたその時には、痛みを感じるだけで、
皮膚には特に何も変化がないかもしれません。
しかし、数分経つと刺された部分の周りが赤く腫れる
という症状があらわれます。
他にも刺された部分が熱を帯びたり、
腫れている部分の中心に白い跡が
見えることもあります。
蜂に刺された場合、蜂毒アレルギーの人はもちろん、
アレルギーのない方もすぐに病院へ行きましょう。
ミツバチは刺すと針が身体から抜けて
皮膚に針が残ってしまうということがありますので
病院などで必ず針を抜いてもらうようにしましょう。
蜂の針が皮膚に残っていると、
針の根元から身体の中にさらに毒が
入り込んでしまうことがあるのです。
できるだけ早く針を抜くことが望ましいですが、
無理やり針をつかんで抜こうとすると
針を圧迫して毒が注入されてしまうことがあるため、
自分で抜く場合には、
毛抜きを使ったり、指などで弾き飛ばすなどの
方法で針を抜きましょう。
その後は、刺された部分に
抗ヒスタミン剤やステロイド入り軟膏を
塗ると良いと言われています。
トコジラミ
日本でも近年再び被害が増えているのがトコジラミ。
トコジラミは、人が寝ている間に人を刺して吸血します。
トコジラミは健康に影響を与えるのはもちろんですが、
駆除するのが難しい厄介な虫になります。
トコジラミに刺された時の主な症状は、
夜も眠れないほどの激しいかゆみ。
稀に症状が出ないという方もいますが、
多くの方がかゆみを伴い、
赤いミミズ腫れのような症状が出ますので、
蚊に刺された時と似ています。
そして、トコジラミの厄介なところは、
増えるスピードがとてつもなく速いと
いうことなんです。
いたるところに蔓延し、駆除には
手間もお金もかかってしまいます。
トコジラミが複数いる場合は、
線状に皮疹が出て、身体のどの部分にも
あらわれる可能性があります。
トコジラミというと多くの人が
誤解してしまうのですが、
部屋の汚さや不衛生さとはまったく関係なく発生します。
外出先などでバックや洋服などに
トコジラミが付着して持ち込まれることが
ほとんどであるため、予防が難しいと言われています。
トコジラミの成虫は形や色、
サイズ感がりんごの種によく似ていると
言われていますので、
家の中にそのような虫がいないかこまめに
確認しましょう。
また、普段寝ているシーツにケガもしていないのに、
赤茶の血の跡などを
見つけたらトコジラミが潜んでいる可能性があります。
トコジラミに刺されたら、
どこで刺されたのか場所を特定し、専門家に
駆除してもらうようにしましょう。
蜘蛛
蜘蛛に刺されるということは
少ないケースですが、起こり得ます。
蜘蛛に刺された後というのは、
よくある虫刺されのように見えますので
蜘蛛に刺されたと気が付くのは難しいと言われています。
もし蜘蛛が逃げていくのを見かけ、
蜘蛛に刺されたと気が付いたら
まず石鹸と水でよく洗い、
刺された後は触らないようにしましょう。
皮膚を破壊する毒を持つ蜘蛛に刺された
可能性もありますので、
まずは洗うことが大切です。
炎症が
- 不自然に大きい
- 赤くなっている
- 触ると熱い
- 潰瘍になっている
- 関節痛がある
などの場合は、すぐに病院へ行った方が良いでしょう。
ダニ
家の中でも刺されてしまう
可能性が高いのがダニです。
ダニに刺された場合には、
刺されたことに気づかない方が多くなります。
ダニに刺されても必ずしも跡が残るとは
限らないからです。
刺されたダニが皮膚についていて、
無理に引き抜こうとすると、
皮膚にダニの頭部が残り、炎症を引き起こす
こともあります。
ダニに刺された時には、
- 的のような丸い形の発疹が身体に出る
- 手首や腕、足首にピンク色の発疹が出る
等の症状が出ます。
また、刺された部分の周りに
潰瘍ができている場合は、すぐに病院へ
行った方が良いでしょう。
これらの症状が出た場合には、
ダニ媒介の疾患に感染した可能性も
考えられるためです。
その他にも
- 熱
- 寒気
- 身体の痛み
- 筋肉の疲労
を感じる時にも診察を受けておくと良いでしょう。
ダニすべてが疾患を媒介しているわけではありませんが、
刺された跡と身体の症状から判断すると良いでしょう。
夏だけじゃない!虫除け対策はいつするべき?
虫刺されと言うと、蚊を思い浮かべる方も多いと思いますが、
日常生活の中では様々な虫に刺される可能性があるのです。
虫は暖かくなってくると活動が
活発になるイメージをお持ちでは?
実際には、虫除けはいつからいつまで
するのが良いのでしょうか。
虫除け対策をする時期をみてみましょう。
6月〜9月以降も対策するべし!
日常生活の中でも私たちに、
最も身近な虫と言えば蚊です。
先ほどご紹介したように、
2014年にはデング熱が流行したこともあり、
きちんとした対策をする必要もあります。
日本で多く見られている蚊は、
ヒトスジシマカやアカイエカなどで、
これらの蚊は、早いと6月頃から発生しています。
そして、7月には15倍以上、ピークの8月には30倍以上にも
発生数が増えるのです。
多くの方がこの2ヶ月間虫除け対策をすれば
十分と考えがちです。
しかし、9月の発生数は7月よりも多く、
6月の20倍以上の発生数が見られるのです。
つまり9月もしっかりとした虫除け対策を
しなければならないのです。
10月は、気温も下がり秋の気配が感じられる
時期になりますので油断しがちですが、
実は7月と同じ位蚊が発生しています。
10月もまだまだ虫除け対策をしなければ
なりませんので、注意しましょう。
冬でも活動する蚊もいる
11月になりますと、グッと気温も下がり
冬が近づいてきます。
しかし、日本では蚊が発生する時期は
4月~11月頃までと言われています。
日本には、ヒトスジシマカやアカイエカなどの他にも、
実は約100種類もの
蚊が存在しているとされています。
それらの中には、成虫のまま冬を越す
種類も存在すると言われています。
つまり、成虫のまま冬を越す蚊が、
暖かい部屋の中に入ることができれば、
そのまま活動する可能性があるということです。
夏だけでなく、冬にも活動することができる蚊がいることも
覚えておきましょう。
気温22℃〜30℃で活動が活発に
蚊が最も活動する時期は、
気温が22℃~30℃位だと言われています。
つまり気温が高い夏が最も蚊に刺されやすい季節になります。
しかし、近年では気温が35℃を超える
猛暑日と呼ばれる日も増えています。
蚊は、気温が高い時に活動しますが、
35℃を超えると活動が鈍ると言われています。
つまり、猛暑日などになりやすい8月よりも
7月、9月、10月などの
季節の方が蚊も活動しやすいのです。
また、気温がピークになる日中の時間帯よりも、
夏の朝や夕方の25℃を超えている時の方が注意が必要です。
虫除け2大対策!
虫除け対策は思ったよりも長い期間
必要であることがわかりましたが、
具体的に虫除けとは
どのようなことをすれば良いのでしょうか。
長袖、長ズボンで肌の露出を少なくする
虫除けの基本は、蚊に刺されにくい服装をすることです。
暑い夏でも、長袖、長ズボンなど
できるだけ肌の露出を少ない服装を
することがポイントです。
首回りも意外と蚊に刺されやすい部分ですので、
首周りが開いた洋服より
襟などが付いている洋服が良いでしょう。
また、長ズボンのポイントとしては、
肌に密着したきつめのズボンよりも
チノパンなど肌とズボンの間に空間が多いズボンを選ぶことです。
肌とズボンの間に空間ができていると、
蚊が針を刺してもズボンを貫通できなかったり、
貫通しても肌までの間があるため、
針が肌に届かないのです。
厚手の生地のジーパンなども有効だと言えるでしょう。
水辺や森、山など特に蚊の多い場所に行く場合には、
ブーツや帽子なども着用し、
できるだけ皮膚の露出を減らしましょう。
サンダルなどではなく、靴下をはき、
足の指先まで覆うことができる靴を
選ぶと良いでしょう。
有効成分を含む虫除け剤を使おう
虫除け対策として、長袖、長ズボンを着て対策しても、
それだけでは
十分な対策とは言えません。
ゆとりのある洋服では蚊が中に
入り込んでしまうこともありますし、
薄い素材の洋服であれば、洋服の上から蚊に刺された時に、
針が洋服を貫通し、肌に届いてしまうこともあります。
そこで、もう1つ重要な対策が
虫除けスプレーなどを使うことです。
特に外出中などは、気が付かないうちに
刺されていたということも多くあると思います。
しっかり虫除けするには、虫除けスプレーを
使うことをおすすめします。
後ほど詳しくご紹介しますが、虫除けスプレーには
厚生労働省が推奨している成分が含まれたものを使うのが有効です。
また、使い方にもポイントがありますので、
十分に理解した上で
正しい使い方をするようにしましょう。
虫除けスプレーの選び方のポイント
虫除け2大対策のうちの1つである、
虫除けスプレーの選び方を
詳しくみていきましょう。
虫除けスプレーの成分は3種類
虫除けスプレーの成分は大きく分けて3種類。
ディート
ディートは虫除けスプレーの中でも
最も一般的に使われている成分。
半世紀以上にわたり、多くの人に
使われてきている成分です。
虫除けの成分としては有効な成分になりますが、
使う人によって制限があるというのも特徴です。
これまでは市販の虫除けスプレーでは、
ディートの濃度が12%以下と
されていました。
しかし、ジカ熱やデング熱といった
感染症を媒介する蚊やダニなどへの対策もあり、
2016年からはディートの濃度が30%のものまで販売が
認められるようになりました。
虫除け効果は高くなりますので、
アウトドアにもおすすめです。
さらには、アウトドアや海外などで使う場合、
ちょっとしたお出かけなど
日常生活の中で使うのかで使い分けると良いでしょう。
イカリジン
1980年代にドイツで開発された成分で、
日本では2015年から販売が
認められるようになった新しい虫除け成分、
それがイカリジンです。
ディートと同じ位の虫除け効果がありますが、
皮膚への刺激が弱いというのが特徴です。
皮膚への刺激が少ないことから、
年齢制限なしでお子さんも安心して
使うことができる成分になります。
ハーブなどの天然成分
ハーブなどの天然成分を使った
虫除けスプレーも増えています。
虫が嫌うハーブを使った虫除けスプレーは、
天然由来成分ですのでお子さんはもちろん、
小さな赤ちゃんや肌が弱い方も使えるという
特徴があります。
- ハッカ
- レモングラス
- ミント
- ユーカリ
これらの種類のハーブが虫除けに有効とされています。
しかし、天然由来成分であることからも、
ディートやイカリジンなどに
比べると効果は若干弱くなります。
虫除けスプレーには医薬品と医薬部外品がある
虫除けスプレーには
- 医薬品
- 医薬部外品
の2つがあります。
日本で多く流通している虫除けスプレーは
医薬部外品となります。
ドラッグストアはもちろん、
コンビニやスーパーなどで買うことができる
医薬部外品の虫除けスプレーは、
ディートの濃度が主に5~10%になります。
人の身体に対する作用も、
医薬品に比べると緩和されます。
先ほどご紹介したディート12%以上の虫除けスプレーは医薬品となり、
治療や予防などに使われることが目的とされています。
こちらはドラッグストアや薬局
などでしか買うことができません。
医薬品となると効果のある虫もアブやナンキンムシ、
マダニやツツガムシと種類が増えます。
特に蚊などの虫が多い場所に出かけるという場合には、
医薬品の虫除けスプレーを使うと安心です。
虫除けスプレーの正しい使い方とは?
虫除けスプレーの成分には3種類ありますが、
その虫除けスプレーを
使うシーンや使い方に合わせて上手く使い分けましょう。
さらには、使い方次第では記載された効果が
持続しないこともあります。
こまめにスプレーする
ディートやイカリジンは虫除けスプレーにより、
濃度が変わります。
濃度は虫除けの効果が持続する時間に関係していますが、
効果の高さとは関係ありません。
濃度の高い虫除けスプレーは
持続する時間も長くなりますが、
特に暑さの厳しい時にはたくさんの汗をかいたり、
洋服で擦れて取れてしまったり
することも考えらえます。
その場合は、説明書などに記載されている持続時間とは
効果が異なる可能性もあります。
様子を見ながら、こまめに虫除けスプレーをする
ことも大切です。
ディートは濃度で制限がある
ディートという成分は、虫除けの成分としては一般的で
効果も高いですが、
使用する時には、制限があるので注意しなければなりません。
イカリジンは特にお子さんにも制限はありませんが、
ディートの場合はその濃度によって制限があります。
・ディートの濃度30%
12歳以上の方が使うことができる
・ディートの濃度12%
6ヶ月以上2歳未満:1日1回
2歳以上12歳未満:1日3回
安全に使用するためにも、この制限を守って
使用するようにしましょう。
顔への使用には注意が必要
ディートが含まれてた虫除けはもう1つ、
顔への使用も要注意です。
ディート12%の場合は、6ヶ月から使うことはできますが、
顔への使用は一切禁止されています。
また、大人の方が顔に使う場合には
スプレー式であっても、
虫除けを手の平にとって、目や唇の周りなどを
避けて塗るなどしなければなりません。
虫に刺された時の対処法
虫に刺された時には、市販の塗り薬を
塗っておくと良いでしょう。
市販の塗り薬を塗ることで、
かゆみなどある程度の症状を抑えることが
できるでしょう。
市販の塗り薬でも効果がない場合には、
薬を処方してもらうこともできます。
ステロイドの塗り薬で効果の強さは
5段階に分かれています。
かゆみの程度によって、
合った薬を処方してもらいましょう。
限られた期間、かゆみのある部分だけに塗るため、
ステロイドの副作用などの心配はないとされています。
しかし、場合によっては塗り薬を塗っても、
腫れが引かなかったり赤みが消えなかったり、
かゆみや痛みなどの症状が続くことがあります。
その場合は、すぐに皮膚科へ行き、
診てもらうようにしましょう。
ただの蚊に刺された跡だと思っていたら、
実は違う虫に刺されていた
ということもあります。
また、熱がある、関節痛がひどいなどの
症状がある時にも、蚊を媒介して
感染症に感染している可能性がありますので、
病院へ行くと良いでしょう。
まとめ
暖かくなると虫刺されが気になりますが、
虫によってはかゆい、痛いだけでなく、
その後思わぬ症状を引き起こすことも考えられます。
お子さんは自分で虫除け対策を
することが難しいですので、
慎重に虫除けスプレーなどを選び、
虫除け対策してあげて下さいね!