犬が人間の喧嘩を仲裁してくれるのはなぜ?偶然ではなく意図的なの?

犬が喧嘩をしている人間や犬同士の間に割り込み、

まるでケンカを仲裁しようとしているかのような

行動を見たことがありませんか?

 

実はこの行動は偶然などではなく、

犬が意図的に争いを止めようとしているのです。

 

 

これは犬のコミュニケーションの一種である

カーミングシグナルが関係していると言われており、

争いを止める他にも様々な意味があります。

 

そこで今回は、

  • なぜ犬はケンカの仲裁をするのか
  • カーミングシグナルとは何なのか

を詳しくご紹介します。

 

犬はなぜケンカを仲裁しようとするの?

人間同士が口論をしている時や喧嘩をしている時に

犬が間に割り込んでくるというのは、犬の本能的な行動になります。

 

これは人間に限らず犬同士が喧嘩をしている時にも見られ、

喧嘩を仲裁しようと意図的に間に入ってくるのです。

 

 

犬は、空気を読むということがとても得意な動物ですので、

人間同士、犬同士が喧嘩をしている時の

不穏な空気と言うのを察知します。

 

その不穏な空気に自分自身も不安な気持ちになるので、

その不安を抑えるためにも、

喧嘩をやめるよう間に割り込んでくるのです。

 

 

この時の犬はとても勇敢で、自分よりも体の大きい人間の間にも

割り込んできますし、

大型犬の喧嘩を仲裁しようと

小型犬が間に割り込んでいくこともあります。

 

 

人間同士や犬同士が喧嘩をしている時に割り込んで入るというのは

偶然にそのように見えるというわけではなく、

「喧嘩を止めたい」という明確な意思を持って

犬がとっている行動なのです。

 

そして、この行動はカーミングシグナルの一種

だと言われています。

 

 

カーミングシグナルとは?

カーミングシグナルとは、犬特有のコミュニケーションです。

 

 

犬と言うのは、元々野生では群れで暮らしていました。

 

群れの中ではリーダーが存在し、そのリーダーを中心に

群れ全体が円滑に暮らしていく必要があり、

犬同士が自分の意思を伝えるための方法として

ボディランゲージが発達していきました。

 

 

この犬の意思を伝えるためのボディランゲージが、

カーミングシグナルなのです。

 

 

今では犬は野生ではなく、ペットとして

飼われていることが多いため、

カーミングシグナルは他の犬に対して

使われることが多くなっています。

 

 

例えば散歩中に他の犬と出会った時に、

犬が背中を向けるという行動を取ることがあります。

 

これは、相手の犬に対して

争うつもりはありませんという意思表示であり、

犬同士の無用な争いを避けるためのカーミングシグナルの1つです。

 

 

通常は犬同士が意思を伝えるための行動が

カーミングシグナルですが、これが発展し、

人間同士の口論などの間に割り込み仲裁するのです。

 

犬だけでなく、人間に対してもそのような行動をすることで、

用な争いは避けましょう』

ということを伝えてくれているのです。

 

 

カーミングシグナルの種類

カーミングシグナルは約30種類ほどあると言われています。

 

その中でも、その行動が犬のどのような心理を表しているのか、

代表的なカーミングシグナルをみてみましょう。

 

 

あくびをする

犬があくびをするというカーミングシグナルは、

主に興奮した気持ちを抑えたり、相手の興奮を鎮めたい

という時に使われます。

 

 

時にストレスや不快感などを感じる時にも

あくびをすることがあります。

 

犬にとってのあくびは、人間で考えると

深呼吸をする、ため息をつくという行動に近いでしょう。

 

 

知らない人が近づいてきたり、大きな物音がしたりすると、

犬は緊張状態になったり、不安を感じることがあります。

 

また、飼い主さんが散歩の準備を始めたりすると、興奮します。

 

 

このような状態になると、あくびをして

緊張や興奮を抑えようとするのです。

 

 

口や鼻をなめる

犬が自分の口元や鼻先を舐めるというカーミングシグナルも、

自分の感情を鎮める、相手の興奮を落ち着かせる

という時に使われるカーミングシグナルです。

 

 

舌を蛇のように素早く出し入れする場合は、

フリッキングとも呼ばれています。

 

 

例えば飼い主さんが怒っている時などは、

自分の気持ちを抑えつつ飼い主さんの怒りをなだめる気持ちもあり、

不要な争いなどが起こらないようにしているのです。

 

 

口元や鼻先を舐めるという行動は、人間で言うと

唾をのみ込むという時の感情と似ているでしょう。

 

このカーミングシグナルが見られる時には、

過剰な緊張や不安などを感じている時です。

 

 

顔や目線をそらす

顔や目線をそらすというカーミングシグナルは、

相手に対して敬意を抱いていないということを表しています。

 

そっぽを向いてから地面などの臭いをかぐという

一連の流れで使われることも多くあります。

 

 

初対面などで、まだ相手の特徴などがわかっていないうちは

警戒心を抱き、不安な気持ちになります。

 

そんな時に犬は顔や目線をそらし、

少しずつ距離を縮めるということが多くあります。

 

 

人間も同じで、関わりたくないと思って人がいると、

目をそらしたりしますよね。

 

わざわざじっと見るようなことをする人は少ないでしょう。

 

 

人間も初対面の犬などに対しては、あまり目線は合わせずに

そっぽを向いた状態でファーストコンタクトを取ってみましょう。

 

 

笑顔を見せる

笑顔を見せるというカーミングシグナルは、

その表情の通り楽しい・嬉しい・気持ちいという

ポジティブな感情を伝える時に使われるカーミングシグナルです。

 

 

主に霊長類が遊んでいる時に見せる、

プレイフェイスと同じような表情だと言われています。

 

 

また、口角を引くという行動は、

相手が優位であることを認める時に使われる服従の笑み

の場合もあります。

 

この場合は、相手に逆らいませんという意味の

カーミングシグナルにもなります。

 

 

前足を空中に浮かせる

前足を空中に浮かせるというカーミングシグナルは、

過剰な興奮を抑える時に使われるカーミングシグナルです。

 

 

犬が前足を空中に浮かせるという行動は、

人間で言うと、目を閉じて胸に手を当てる

という時の感情に近い行動です。

 

緊張したりする時には、胸に手を当てて

落ち着かせたりしますよね。

 

そんな時の感情と似ています。

 

 

まとめ

犬は人間同士や犬同士の間に割り込んで入り、

喧嘩を仲裁するかのような行動をしますが、

これはカーミングシグナルという

犬のコミュニケーションの1つで

 

犬が『喧嘩を仲裁したい』という意思を持って

行動しているのです。

 

 

他にも代表的なカーミングシグナルをご紹介しましたが、

これを覚えることで飼い主さんも少し

犬の気持ちをわかることができるようになるかもしれません。

 

ぜひ、カーミングシグナルを覚えて、

犬と楽しい時間を過ごしましょう!